「工場の休憩室」を設置する方法とは?改装手順やメリット・デメリットを解説
優秀な人材の採用と定着、業務の効率と安全性の向上。工場に充実した休憩室を設けることには、様々なメリットがあります。しかし、単にスペースを確保してテーブルとチェアを置くだけでは利用率は上がらず、従業員も十分にリフレッシュできません。 そこで、本記事では、工場における休憩室づくりのノウハウをまとめました。設置前のチェックポイントから、デザインで意識すべき点、おすすめの設備やサービスまで、幅広く紹介します。
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休憩室の位置づけと休養室との違い
労働安全衛生法事務所衛生基準規則(第19条)および労働安全衛生規則(第613条)では、事業者に対し、「労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設けるように努めなければならない」と定めています。つまり、事業者にとって休憩室の設置は努力義務として課せられており、工場も例外ではありません。
ここで注意したいことは、「休憩室≠休養室」ということ。休養室は、「横になれる設備がある男女別のスペース」で、労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則によって、常時50名以上の労働者を使用する企業、もしくは常時30名以上の女性労働者を使用する企業に設置が義務づけられています。対して休憩室は、従業員が休憩時間にコーヒーを飲みながらリラックスして過ごしたり、食事をとったりする「日常的に活用できるリフレッシュ空間」を指します。
休憩室を設置するメリットとデメリット
工場に快適な休憩室を設置することには、次のようなメリットがあります。
・採用力を強化できる
求職者にとって、働く環境は職場選びの重要なポイントの1つです。休憩時間に心身をしっかりと休められる休憩室を用意することは、企業イメージの向上につながり、採用活動に良い影響をもたらすでしょう。
・従業員の満足度をアップできる
多くの工場は郊外にあり、近隣にコンビニやカフェがないケースは少なくありません。また、店舗はあっても、夜勤の時間帯には営業していないことも多いでしょう。そんな環境下でも、コーヒーマシンを設置した休憩室があれば、曜日や時間を問わず、おいしいドリンクを飲みながらリフレッシュすることが可能になります。 それにより、従業員の満足度が向上することは間違いないはずです。従業員の満足度の向上は、離職率の抑制にもつながります。
・業務の効率や安全性の向上につながる
良質な休憩は、疲れやストレスを軽減し、集中力を高めます。しっかりと休憩を取れることで、業務の効率の向上やミスの減少、事故リスクの軽減などが期待できるでしょう。長期的には従業員の健康増進にも寄与し、病気の予防にもつながることが期待できます。
・従業員間のコミュニケーションを活性化できる
リラックスして過ごせる休憩室は、居合わせた人同士のコミュニケーションを生みます。そうして従業員がお互いの理解を深められれば、職場の雰囲気が良好になったり、業務における連携がしやすくなったりするはずです。
・デメリットは、工夫次第で解消できる
休憩室を設置するデメリットとしては、従業員の休憩時間が長くなったり、雑談による騒音が業務に影響したり、といったことが考えられます。
しかし、これらは少しの工夫で解消できるものです。例えば、チャイムを鳴らして「つい長く休憩してしまった」といった事態を防いだり、防音性の高いパーテーションを導入したり、といった方法が挙げられます。利用時間やマナーなどなどのとり決めたルールを用意しておくことも有効です。
快適な休憩室づくりのコツ・ポイント
では、前述のように様々なメリットを得られる休憩室は、どのように作るのでしょうか? 工場の休憩室づくりで押さえておきたいポイントを紹介します。

・温かみのあるデザインにして癒し効果をアップ
一般的に工場内部は、どうしても無機質な雰囲気になりやすい傾向があります。そこで、休憩室は温かみのあるデザインにして、利用者のみなさんの気持ちが落ち着く空間を作ることがおすすめです。具体的には、木材を使った家具を置く、優しい色合いのクッションやラグを選ぶ、グリーン(観葉植物)を配置するといった方法があります。
・空調や照明の調節にこだわる
空調の温度は、作業をする環境を考慮して調節することが重要です。例えば、食品を扱う工場では、従業員は室温が低い部屋で、長い時間の業務にあたることもあります。その場合、休憩室の温度は、一般的なオフィスよりも少し暖かくしておくといいかもしれません。
照明も同様で、やや暗い環境で作業をしている場合は、休憩室は明るくすると気分転換しやすくなります。可能であれば窓のある場所に設置すると、自然光で明るくなるだけではなく、開放感も演出できます。
・柔軟性のあるレイアウトで、誰もが快適に使える空間に
理想的な休憩のとり方は、人それぞれ。多様なニーズに応えるためには、柔軟性のあるレイアウトにすることをおすすめします。可動式のテーブルやチェア、パーテーションなどを導入し、空間に余裕をもって配置しておけば、利用人数や用途によって自由に動かせます。

・リラックスを促すアイテムを導入する
ゆったりと座れるソファやリクライニングチェア、体をほぐすマッサージチェア、心を落ち着かせるアロマなど、使うことで、よりリラックスできるアイテムを積極的に導入しましょう。書籍や雑誌なども、頭を仕事モードから切り替えることに役立ちます。
工場に休憩室を設置する際の注意点
休憩室を設置するにあたっては、次の点を事前に必ずチェックしておきましょう。
・防音対策の必要性
工場では、大きな作業音が発生することも珍しくありません。その音が休憩室にまで聞こえてしまうと、リフレッシュや従業員間のコミュニケーションの妨げになってしまう危険性があります。作業音が気になる場合は、ある程度、作業場と離れた場所に休憩室を設置したり、防音タイプのパーテーションを置いたり、BGMを流したり、といった工夫が求められます。
・自治体による助成制度の活用の可否
休憩室の設置にかかる費用は、その一部を自治体に助成してもらえる可能性もあります。中小企業における職場環境の改善、特に従業員の健康増進につながる取り組みの場合は、助成制度を用意している自治体が多々あります。助成金が出ることによって、より充実したデザインにできる可能性もあるため、施工会社にも協力を仰ぎながら、早めに情報収集を進めておきましょう。
・導入設備の管理
休憩室に導入した設備の多くは、管理が必要になります。特に、24時間稼働している工場の場合、設備の管理担当者が不在になる時間帯も出てくるため、管理の手間も考慮しながら、選定を進めることが重要です。
例えば、コーヒーマシンであれば、頻繁に材料を補充しなくてもある程度の杯数を提供できる機種がおすすめです。また、プロのスタッフによるメンテナンスサービスを実施している業者を選ぶと、清掃の負担も軽減できます。
なお、ダイオーズではコーヒーマシンを導入いただく際に、使い方や管理方法をレクチャーするトレーニングを実施。トラブルにつながる危険性を低減できるよう、丁寧にサポートしています。
工場における休憩室の設置、改装の手順
工場に休憩室を設置する際の手順は、基本的に一般のオフィスと変わりません。
【STEP2】 自社に合わせた提案を受ける
【STEP3】 施工スタート
【STEP4】 休憩室の運用スタート
各ステップの詳細について紹介している記事もぜひ、併せてご覧ください。
休憩スペースとは?その重要性と役割を解説
多数の企業を支援してきたプロに聞く、失敗しない休憩室の作り方 よくある失敗例も詳しく解説
なお、多くの工場は、その企業が保有する建物であるため、テナントに入っているオフィスよりも給排水の調整などがしやすいケースが多いです。
工場の休憩室におすすめの設備、サービス
最後に、工場の休憩室にぜひ、導入したい設備やサービスを紹介します。
・コーヒーマシン
おいしいコーヒーは、リラックスタイムに欠かせないアイテムです。本格的なコーヒーを楽しめるマシンを導入すれば、いつでもカフェにいるような気分を味わえます。
特に、ダイオーズが提供するコーヒーマシン『FRANKE(フランケ)』は、コーヒーの味わいはもちろん、コーヒー以外のメニューの豊富さや管理のしやすさも高く評価されています。
また、『FRANKE A600』なら、一度の材料補充で約180杯のドリンク提供が可能。立地や業務内容にもよりますが、工場は一般的なオフィスよりもドリンクの需要が高い傾向にあるので、大型のマシンを検討することをおすすめします。
・食事に必要な家電
休憩室で食事をとる場合、電子レンジや冷蔵庫、熱湯も出せるウォーターサーバーなどを設置すると喜ばれます。
・グリーン(観葉植物)
休憩室の雰囲気づくりに欠かせないグリーンですが、「予想以上に大きく育ってしまった」「置き場所が悪かったのか、すぐに枯れてしまった」「水やりが面倒」などといった懸念点も多々あります。
そのような時は、ダイオーズのグリーンサービスがおすすめです。空間プランナーとグリーンコーディネーターが休憩室の環境に合わせたプランをご提案するだけではなく、メンテナンスまでお任せいただけます。
・仮眠スペース
ある程度の広さの休憩室を用意できる場合は、仮眠スペースを設けることも重要です。特に、夜勤があったり、休憩時間が長めだったりする工場では、喜ばれるはずです。
設置する際は、飲食や会話ができるスペースから見えないようにする配慮をお忘れなく。パーテーションやカーテンを使ってプライバシーを確保してください。
ダイオーズのオフィスカフェラウンジサービスとは?
ダイオーズが展開する『オフィスカフェラウンジサービス』は、上質な味わいと豊富なメニューが人気の『コーヒーサービス』と、グリーンコーディネーターによるオーダーメイドの観葉植物のプランニングが支持されている『グリーンレンタルサービス』を組み合わせたサービスです。
コーヒーマシンとグリーン(観葉植物)をセットで提案できるので、少ない手間でスムーズに検討、導入を進められます。「休憩室から工場の魅力度をアップしたい」とお考えのご担当者様は、ぜひ一度、ダイオーズにお問い合わせください。